『がんばりましょう』『若きアレンの悩み』『Platonic love』から続いてます。
今回、コムイはいません(^_^;)
親友と書いて悪友と読む、…かもしれない。(アレン&ラビ) 〜がんばりましょう4〜
「このへタレ! 甲斐性なし!!」
アレンから受けた戦況報告の内容に、ラビは容赦ない野次を飛ばした。
「男だったら、押して押して押しまくれ!! ホラ、嫌よ嫌よも好きのうちって言うだろーが!!」
拳を握り締め好き勝手豪語するラビの顔には、やはり他人事という文字が見え隠れして。他所の色事に興味津々なのと、他人の不幸は蜜の味であるのか、完全に面白がっているようだった。
おいそれと他言できない相談内容である以上、聞いて貰えるだけありがたいのだとアレンにも判ってはいるのだが、ここまであからさまだと面白くない。
「それで嫌われたらどーすんですか!! ラビが責任とってくれるとでも!?」
アレンが両手でテーブルを叩いてそう喚くと、ラビは一つ間を取ってから人の悪い笑みを浮かべて、
「そうさなぁ…。 責任とって、コムイは俺が引き受けてやるさ♪」
何せ俺はもう18だしバッチシじゃ〜んと自分を指差した。その時――ラビの記録によると――、アレンは見事な瞬間湯沸かし器と化した。
「誰が譲るもんですか―――!!」
テーブルをひっくり返しそうな勢いでアレンは激昂した。それを見たラビは一瞬きょとんとして、次いで吹き出した。それがまた更にアレンの血圧を上げることになるのだが。
からかうとムキになって怒るから、それが面白くて更にからかってしまう。はっきり言って悪循環なのだが、弟に対するような愛情表現なので、そこは大目に見て欲しいとラビは思う。
更に言わせて貰えば、傍から見ている分には完全にバカップルの惚気話を聞かされる身としては、これくらいの意趣返しでもしなければ割に合わない。
猛牛よろしく興奮し肩で息をするアレンをどうどうと宥めすかすと、ラビの興味本位の楽しげな顔が、何かを諦めたような苦笑に変わる。
「でもまぁ…、昔から『惚れた方が負け』って言うし、しょーがねぇのかもな」
「…確かにその通りかもしれませんけど。身も蓋もない言い方しないで下さいよ〜〜!! ああ、もう〜〜〜!!」
求める人の名を繰り返し呼びながら、先の日と同じようにテーブルに突っ伏し嘆くアレンを後目に、でも、とラビは口の中で呟いた。
(実際に『より惚れている』のは、一体どっちなんだろうな…?)
※ ※ ※ ※ ※
「それで嫌われたらどーすんですか!! ラビが責任とってくれるとでも!?」
「責任とって、コムイは俺が引き受けてやるさ♪」
って部分が書きたかった! …んで、書けて満足♪(o ̄∇ ̄)o
今回、コムイはいません(^_^;)
親友と書いて悪友と読む、…かもしれない。(アレン&ラビ) 〜がんばりましょう4〜
「このへタレ! 甲斐性なし!!」
アレンから受けた戦況報告の内容に、ラビは容赦ない野次を飛ばした。
「男だったら、押して押して押しまくれ!! ホラ、嫌よ嫌よも好きのうちって言うだろーが!!」
拳を握り締め好き勝手豪語するラビの顔には、やはり他人事という文字が見え隠れして。他所の色事に興味津々なのと、他人の不幸は蜜の味であるのか、完全に面白がっているようだった。
おいそれと他言できない相談内容である以上、聞いて貰えるだけありがたいのだとアレンにも判ってはいるのだが、ここまであからさまだと面白くない。
「それで嫌われたらどーすんですか!! ラビが責任とってくれるとでも!?」
アレンが両手でテーブルを叩いてそう喚くと、ラビは一つ間を取ってから人の悪い笑みを浮かべて、
「そうさなぁ…。 責任とって、コムイは俺が引き受けてやるさ♪」
何せ俺はもう18だしバッチシじゃ〜んと自分を指差した。その時――ラビの記録によると――、アレンは見事な瞬間湯沸かし器と化した。
「誰が譲るもんですか―――!!」
テーブルをひっくり返しそうな勢いでアレンは激昂した。それを見たラビは一瞬きょとんとして、次いで吹き出した。それがまた更にアレンの血圧を上げることになるのだが。
からかうとムキになって怒るから、それが面白くて更にからかってしまう。はっきり言って悪循環なのだが、弟に対するような愛情表現なので、そこは大目に見て欲しいとラビは思う。
更に言わせて貰えば、傍から見ている分には完全にバカップルの惚気話を聞かされる身としては、これくらいの意趣返しでもしなければ割に合わない。
猛牛よろしく興奮し肩で息をするアレンをどうどうと宥めすかすと、ラビの興味本位の楽しげな顔が、何かを諦めたような苦笑に変わる。
「でもまぁ…、昔から『惚れた方が負け』って言うし、しょーがねぇのかもな」
「…確かにその通りかもしれませんけど。身も蓋もない言い方しないで下さいよ〜〜!! ああ、もう〜〜〜!!」
求める人の名を繰り返し呼びながら、先の日と同じようにテーブルに突っ伏し嘆くアレンを後目に、でも、とラビは口の中で呟いた。
(実際に『より惚れている』のは、一体どっちなんだろうな…?)
※ ※ ※ ※ ※
「それで嫌われたらどーすんですか!! ラビが責任とってくれるとでも!?」
「責任とって、コムイは俺が引き受けてやるさ♪」
って部分が書きたかった! …んで、書けて満足♪(o ̄∇ ̄)o
『がんばりましょう』『若きアレンの悩み』から続いてます。
Platonic love 〜がんばりましょう3〜
『だって、犯罪でしょ?』
あっけらかんと言ってのけられたその一言にアレンは何も返せなかった。頭の中が真っ白になったと言ってもいい。何も思い浮かばなかったのだ。
アレンが投じたストライクゾーンど真ん中の直球は、コムイに完全に打ち返され、しかもそれは場外に消えていった気がした。
一時は白旗を揚げるしかないかと諦めかけたが、打ち込まれた上に完封負けはアレンの望むところではなく、一矢報いるべくしぶとく粘ってみる。
「――――――日本の成人は15歳だそうですよ」
「あれ、日本の元服なんてよく知ってるねぇ。感心感心。でも、キミは日本人じゃないし、ココも日本じゃないしね。
もしココが日本だったら、”When in Rome, do as the Romans do.(郷に入っては郷に従え)”って通用したかもしれないけど」
結局は理屈だろうが屁理屈だろうが、一枚も二枚も上であるコムイに敵う筈もなく、にっこり笑って止めを刺されただけだった。
「だから、18になったらね」
(じゃあ日本に行きましょう―――は、無しだろうな、さすがに。 …ってことは、何、それまでは蛇の生殺し状態が続くってこと!?)
ぐるぐると頭の中を回るそれに目の前が真っ暗になり、アレンは頭を抱えた。
「そんな……、我慢できなくなって襲っちゃったらどーしよ……」
心の中にしまっておく筈だった声が、アレンの口から思わず零れてしまう。ハッとしてコムイを見上げると、それをしっかりとキャッチしたのだろう彼はにっこりと笑った。
「そんなコトしたら、嫌いになるよ?」
刺された釘は、これ以上なく強力だった。
(―――――)
自分のコムイへの想いを知っていて狙ってやっているのは判っている。しかし、それを目の当たりにするのは少し辛かった。
自分はコムイを好きで好きで堪らないのに、彼には余裕があって、それは、
(僕の方がずっと―――、否、僕だけがあなたを好きで、僕だけがあなたを求めていて…)
ということに他ならなくて。
(本当に好きだったら、年なんて関係ないと信じていたのに)
目頭が熱くなる。
「世は純愛ブームだし、ね?」
「…何ですかソレ、知りませんよ」
コムイの慰めるような声色に少しだけイラついて、ぶっきらぼうに問うと、コムイは人差し指を立て「今ね、世のレディたちが夢中になってるんだよ〜」と、いつもの明るい調子で答えた。
「プラトニック・ラブも悪くないと思うけど、アレンくんには耐えられない?」
微かに寄せられた眉。それでも口元には微笑みが湛えられており、まるで利かん気の強い子供を宥めている大人のように見えて、アレンは悲しくなった。
だが、それに甘えて耐えられないと答えようものなら「じゃあ別れる」と一刀両断されてしまうのだろうかと、今度は怖くなる。
「―――あなたが好きだから、あなたの嫌がることは……無理強いはしたくないです」
これが、出した答え。
これしか出ない。どうしたって、これしか出せないだろう。掌で踊らされているとしても、嫌われたくないという思いが強過ぎて。
「コムイさん…」
「ん?」
「……僕を、好きですか?」
「好きだよ」
躊躇なく返ってくるそれに感じるのは喜びではなく、ただの鸚鵡返しではないのかと込み上げてくる不安だった。
(それは本当に僕、ですか…?)
こんな風に疑いたくはないのに。
アレンは手を伸ばすとコムイの頬に手を添えた。頬を撫で唇に触れる指を、コムイは避けることも嫌がることもなく、アレンの好きにさせた。
「僕に、抱かれるのは嫌ですか…?」
「……嫌じゃない、よ、…多分」
次の質問にコムイはビクリと体を震わせると、アレンに聞こえるか聞こえないか程度の小さな声で答えた。
(今はこれで充分、って。そう思わなきゃ―――)
アレンはそう自分に言い聞かせ、コムイには願いを訴えた。
「僕は、あなたの全てが欲しいです」
「アレ…」
アレンはコムイの言葉を吐息ごと飲み込んだ。そしてその唇を何度か優しく吸い上げて、強張ってしまった体を抱きしめて。
「心も、体も、声も、視線も。何もかも全部。―――それを、忘れないで」
こんなにも貪欲に望んでいるのだと言うアレンの背に手を回すと、コムイはしっかりと頷いてみせた。
(しょうがないから今日は引き下がるけど。―――でもねコムイさん、本当は?って訊きたいんだよ)
抱きしめたコムイの温もりを感じながら、アレンは自分を励ました。
(とりあえず、頑張れ自分……)
とりあえず『忍耐』。それから『努力』と『根性』
※ ※ ※ ※ ※
純愛ブームなのは仮想19世紀末ではなく。(笑)
それにしてもギャグだったはずなのに、いつのまにやら微シリアスちっくに……。何でだ!?Σ( ̄□ ̄;)!!
Platonic love 〜がんばりましょう3〜
『だって、犯罪でしょ?』
あっけらかんと言ってのけられたその一言にアレンは何も返せなかった。頭の中が真っ白になったと言ってもいい。何も思い浮かばなかったのだ。
アレンが投じたストライクゾーンど真ん中の直球は、コムイに完全に打ち返され、しかもそれは場外に消えていった気がした。
一時は白旗を揚げるしかないかと諦めかけたが、打ち込まれた上に完封負けはアレンの望むところではなく、一矢報いるべくしぶとく粘ってみる。
「――――――日本の成人は15歳だそうですよ」
「あれ、日本の元服なんてよく知ってるねぇ。感心感心。でも、キミは日本人じゃないし、ココも日本じゃないしね。
もしココが日本だったら、”When in Rome, do as the Romans do.(郷に入っては郷に従え)”って通用したかもしれないけど」
結局は理屈だろうが屁理屈だろうが、一枚も二枚も上であるコムイに敵う筈もなく、にっこり笑って止めを刺されただけだった。
「だから、18になったらね」
(じゃあ日本に行きましょう―――は、無しだろうな、さすがに。 …ってことは、何、それまでは蛇の生殺し状態が続くってこと!?)
ぐるぐると頭の中を回るそれに目の前が真っ暗になり、アレンは頭を抱えた。
「そんな……、我慢できなくなって襲っちゃったらどーしよ……」
心の中にしまっておく筈だった声が、アレンの口から思わず零れてしまう。ハッとしてコムイを見上げると、それをしっかりとキャッチしたのだろう彼はにっこりと笑った。
「そんなコトしたら、嫌いになるよ?」
刺された釘は、これ以上なく強力だった。
(―――――)
自分のコムイへの想いを知っていて狙ってやっているのは判っている。しかし、それを目の当たりにするのは少し辛かった。
自分はコムイを好きで好きで堪らないのに、彼には余裕があって、それは、
(僕の方がずっと―――、否、僕だけがあなたを好きで、僕だけがあなたを求めていて…)
ということに他ならなくて。
(本当に好きだったら、年なんて関係ないと信じていたのに)
目頭が熱くなる。
「世は純愛ブームだし、ね?」
「…何ですかソレ、知りませんよ」
コムイの慰めるような声色に少しだけイラついて、ぶっきらぼうに問うと、コムイは人差し指を立て「今ね、世のレディたちが夢中になってるんだよ〜」と、いつもの明るい調子で答えた。
「プラトニック・ラブも悪くないと思うけど、アレンくんには耐えられない?」
微かに寄せられた眉。それでも口元には微笑みが湛えられており、まるで利かん気の強い子供を宥めている大人のように見えて、アレンは悲しくなった。
だが、それに甘えて耐えられないと答えようものなら「じゃあ別れる」と一刀両断されてしまうのだろうかと、今度は怖くなる。
「―――あなたが好きだから、あなたの嫌がることは……無理強いはしたくないです」
これが、出した答え。
これしか出ない。どうしたって、これしか出せないだろう。掌で踊らされているとしても、嫌われたくないという思いが強過ぎて。
「コムイさん…」
「ん?」
「……僕を、好きですか?」
「好きだよ」
躊躇なく返ってくるそれに感じるのは喜びではなく、ただの鸚鵡返しではないのかと込み上げてくる不安だった。
(それは本当に僕、ですか…?)
こんな風に疑いたくはないのに。
アレンは手を伸ばすとコムイの頬に手を添えた。頬を撫で唇に触れる指を、コムイは避けることも嫌がることもなく、アレンの好きにさせた。
「僕に、抱かれるのは嫌ですか…?」
「……嫌じゃない、よ、…多分」
次の質問にコムイはビクリと体を震わせると、アレンに聞こえるか聞こえないか程度の小さな声で答えた。
(今はこれで充分、って。そう思わなきゃ―――)
アレンはそう自分に言い聞かせ、コムイには願いを訴えた。
「僕は、あなたの全てが欲しいです」
「アレ…」
アレンはコムイの言葉を吐息ごと飲み込んだ。そしてその唇を何度か優しく吸い上げて、強張ってしまった体を抱きしめて。
「心も、体も、声も、視線も。何もかも全部。―――それを、忘れないで」
こんなにも貪欲に望んでいるのだと言うアレンの背に手を回すと、コムイはしっかりと頷いてみせた。
(しょうがないから今日は引き下がるけど。―――でもねコムイさん、本当は?って訊きたいんだよ)
抱きしめたコムイの温もりを感じながら、アレンは自分を励ました。
(とりあえず、頑張れ自分……)
とりあえず『忍耐』。それから『努力』と『根性』
純愛ブームなのは仮想19世紀末ではなく。(笑)
それにしてもギャグだったはずなのに、いつのまにやら微シリアスちっくに……。何でだ!?Σ( ̄□ ̄;)!!
『がんばりましょう』の続き、です。一応。
若きアレンの悩み 〜がんばりましょう2〜
アレンは悩んでいた。
それは海よりも深く空よりも高く果てしない、年頃の男の子には何とも切実な悩みだった。
「『お泊りOK』ったら、最後までOKってことだろ、フツー」
飲み干したジュースのグラスを脇に避け、テーブルに肩肘をついたオレンジ頭はさらりとそう言ってのけた。
アレンは両手を握り締め、ゴッと鈍い音を立ててテーブルに沈んだ。
「おーい、アレ〜ン?」
突っ伏したまま中々起き上がらない自分をラビが窺ってくるが、返事はできなかった。派手に打ちつけた額の痛みからではない。それは己が師匠に金づちで殴られた時の痛みには程遠かった。
それよりも、改めて認識した事実に打ちのめされていたのだ。
「………そう…ですよねぇ…、やっぱ」
最愛の恋人は、お泊りはOKで最後まではNGだと言う。キスをして、抱きしめ合って、言葉通り一緒のベッドで眠っても、最後の一線は越えさせてくれないのだ。
理由は、知らない。―――判らない。
(コムイさん、あなたは………)
悩みの袋小路に迷い込みかけたアレンを引き止めたのは、ラビの能天気な声だった。
「ま、ウダウダ悩んでいないで、本人に訊いてみるさ!」
「他人事だと思って〜〜……」
低く唸りながら、恨みがましい視線を向けた先のラビの顔には『だって他人事だもん♪』と、はっきりくっきり書かれていた。
□ □ □ □ □
「で、何で最後までさせてくれないんですか?」
アレンの唐突な質問に、さすがのコムイも切れ長の目を見張り、一瞬言葉を失った。
「―――これまた、直球ド真ん中な質問だねぇ」
それに『で、』って何?どこから繋がってんの?と苦笑し、ともすれば話題をすり替えようとするコムイをアレンはまっすぐに見つめて、
「変化球だったらはぐらかすでしょう? 逃げたら意味がないでしょう?」
(確かにそうかも……)
ホントにこの子はスルドイなぁとコムイが感心していると、更に近づいたアレンがある種の迫力を持って畳み掛けてくる。
「何でですか!?」
「えっ、だってさ、」
「犯罪でしょ?」
キミまだ15くらいなんでしょ? ボクは三十路に片足突っ込んでるしさー、イロイロとあるじゃん問題が、…云々。腕を組みながら、予算を勝ち取る科学者の本領発揮なのか滔々と語るコムイを、アレンは呆然と見つめたまま。
「――――」
ぱかっと開いたままのアレンの口は、当分閉じられそうになかった。
(――――ぐうの音も出ねェ……)
と り あ え ず が ん ば り ま し ょ う♪
※ ※ ※ ※ ※
完全にデキあがっているようでいて実は最後までいってないふたり、が書きたくなっちゃったんですよー、…あはは(と笑って誤魔化してみる) ( ̄∇ ̄;A
ラブコメ、つか、ギャグというか、コムイに振り回されるアレンを軽いノリでやりたかったんです。すみません(汗)
若きアレンの悩み 〜がんばりましょう2〜
アレンは悩んでいた。
それは海よりも深く空よりも高く果てしない、年頃の男の子には何とも切実な悩みだった。
「『お泊りOK』ったら、最後までOKってことだろ、フツー」
飲み干したジュースのグラスを脇に避け、テーブルに肩肘をついたオレンジ頭はさらりとそう言ってのけた。
アレンは両手を握り締め、ゴッと鈍い音を立ててテーブルに沈んだ。
「おーい、アレ〜ン?」
突っ伏したまま中々起き上がらない自分をラビが窺ってくるが、返事はできなかった。派手に打ちつけた額の痛みからではない。それは己が師匠に金づちで殴られた時の痛みには程遠かった。
それよりも、改めて認識した事実に打ちのめされていたのだ。
「………そう…ですよねぇ…、やっぱ」
最愛の恋人は、お泊りはOKで最後まではNGだと言う。キスをして、抱きしめ合って、言葉通り一緒のベッドで眠っても、最後の一線は越えさせてくれないのだ。
理由は、知らない。―――判らない。
(コムイさん、あなたは………)
悩みの袋小路に迷い込みかけたアレンを引き止めたのは、ラビの能天気な声だった。
「ま、ウダウダ悩んでいないで、本人に訊いてみるさ!」
「他人事だと思って〜〜……」
低く唸りながら、恨みがましい視線を向けた先のラビの顔には『だって他人事だもん♪』と、はっきりくっきり書かれていた。
「で、何で最後までさせてくれないんですか?」
アレンの唐突な質問に、さすがのコムイも切れ長の目を見張り、一瞬言葉を失った。
「―――これまた、直球ド真ん中な質問だねぇ」
それに『で、』って何?どこから繋がってんの?と苦笑し、ともすれば話題をすり替えようとするコムイをアレンはまっすぐに見つめて、
「変化球だったらはぐらかすでしょう? 逃げたら意味がないでしょう?」
(確かにそうかも……)
ホントにこの子はスルドイなぁとコムイが感心していると、更に近づいたアレンがある種の迫力を持って畳み掛けてくる。
「何でですか!?」
「えっ、だってさ、」
「犯罪でしょ?」
キミまだ15くらいなんでしょ? ボクは三十路に片足突っ込んでるしさー、イロイロとあるじゃん問題が、…云々。腕を組みながら、予算を勝ち取る科学者の本領発揮なのか滔々と語るコムイを、アレンは呆然と見つめたまま。
「――――」
ぱかっと開いたままのアレンの口は、当分閉じられそうになかった。
(――――ぐうの音も出ねェ……)
と り あ え ず が ん ば り ま し ょ う♪
完全にデキあがっているようでいて実は最後までいってないふたり、が書きたくなっちゃったんですよー、…あはは(と笑って誤魔化してみる) ( ̄∇ ̄;A
ラブコメ、つか、ギャグというか、コムイに振り回されるアレンを軽いノリでやりたかったんです。すみません(汗)
アニメで『コムイを起こすアレン』が見られなかった悔しさから書いちゃいましたが、別のエピソードの時で良いんで、そのシチュ入れてもらえんでしょうかね?SS。 ←タイトルじゃないスよ d(^_^;)
注)アニメ仕様とはいえ、各自で☆野せんせいの麗しいコムイに脳内変換すること。
がんばりましょう
(―――あ…)
目が覚めたアレンの瞳に映ったのは、窓から差し込むオレンジ色と、その柔らかで暖かな光に照らされたコムイだった。
「やっと起きたね。気分はどうだい?」
(目が覚めて最初に見た人に惚れちゃう……んだっけ? あれ、何か違うか…?)
コムイの綺麗な微笑みにそんなことをぼんやりと考えながら、彼の存在と落ち着いた声が心地良くて、アレンは蕩けたようにふにゃりと笑った。
「目が覚めた時にコムイさんがいてくれるって良いなぁ…」
夢見心地のようなアレンに、コムイは苦笑した。
「……寝ぼけてる?アレンくん」
「どうせだったら、待ってる間、添い寝してくれてたら良かったのに」
「いや、ココ、病院だから」
普段のマッドサイエンティストぶりはどこへやら。常識人な答えを返すコムイをアレンは軽く無視した。
「今からでもいいから入ります?」
「いや、遠慮しとくから」
上掛けを捲ったアレンがベッドをポンポン叩くと、コムイは体の前で両手を横に振ってお断りした。
「じゃ、せめて」
起き上がり人の良い笑みを浮かべたアレンは、本部にいる時はあまりお目にかかることのないチャイナ服の、捲くられた袖から晒された細い腕を掴んで引き寄せる。
「うわッ!?」
「おはようございます」
アレンは引っ張られた勢いで腕の中に倒れてきたコムイを軽く受け止めると、軽く音を立てて彼に口付けて、おはようのキスと悪戯気に笑った。
「もう夕…っん」
もう夕方だよと苦笑混じりに告げようとするのを遮り、アレンは再びコムイの唇を塞いだ。今度は舌を忍び込ませ、コムイの口腔を探る。
既に日は傾いているけれど、まだ明るいと言えるこんな時間にするようなキスではなく、コムイは思わず逃げを打つが、抱き寄せる腕は見かけを裏切って力強く適わない。
(やっぱり、あのヒトの弟子だなぁ―――…)
キスされながら、コムイは妙な感慨を持ってしまった。
(クロスの弟子だなんて思えないほど良い子なんだけど、やっぱ影響受けてる所ってあるよねぇ。 控え目そうに見えて、実は強引なトコとか)
でも、アレンのキスは優しい。気持ちよさと一緒に幸せまで感じるキスは、彼の想いをひしひしと伝えてくる。
「ん、ふうっ…、んん」
抜ける吐息と共にコムイの強張っていた体の力が抜け、アレンはその隙をついて手際よく体の位置を変えた。
コムイの体がベッドに沈み、アレンを見上げる体勢になる。アレンの視線の強さと熱く伝わってくる体温に、時間も場所も忘れてこのまま流されても良いかな、と絆されてしまいそうだった。
「コムイさん…」
吐息の触れる近さで囁かれた低く掠れた声に、ぞくりと寒気に似たものがコムイの背中を駆け上がっていく。
(ヤバ…)
覚えのある感覚にコムイが本気で焦り始めたところ、
「何、考えてるんですか」
アレンの男を感じさせた表情が幼い拗ねたものになり、それと同時にふたりを覆っていたムードも一気に霧散して、コムイは内心ホッとした。
「キミのケガ」
そう誤魔化し――本当に誤魔化されてくれたのかは判らないけれど――、いつものペースを取り戻したコムイは人差し指でアレンの額を軽く小突いた。
「これ以上はケガが治るまでお預けね。それから、キミはこれから治療だから」
「―――ちっ」
「何? ……ってか、神田くんに似てきてない? キミ」
「止めてくださいよ。何で僕があんなのと…」
外方を向いて口を尖らすアレンを見て、コムイはくすりと笑みを零した。
「キミのことを思ってのことなんだから」
ね、とハートマークが付いていそうなコムイの甘い声に、アレンは素直に無条件で降伏してしまった。
そして、アクマと戦闘ができるなら多少の運動など何の問題もないとアレンが気付くのは、それから数時間が過ぎてからのことだった。
く じ け ず に が ん ば り ま し ょ う ♪
※ ※ ※ ※ ※
完全にデキあがっているようでいて実は最後までいってないふたり、という裏設定があったり。なかったり。
でもこのアレンは「さ、治ったんでしましょう!」とにっこり笑顔で宣言するかもしれない(笑) …アニメだとさっくり治っちゃうしさー。
ちなみに、この話は【クロコム前提】ではなく、【昔、コムイはクロスと何らかの関係があったらしい、アレコム】です。ま、アレですね。「がんばれアレン。…ええ、もうイロイロと」って感じ(^_^;)
注)アニメ仕様とはいえ、各自で☆野せんせいの麗しいコムイに脳内変換すること。
がんばりましょう
(―――あ…)
目が覚めたアレンの瞳に映ったのは、窓から差し込むオレンジ色と、その柔らかで暖かな光に照らされたコムイだった。
「やっと起きたね。気分はどうだい?」
(目が覚めて最初に見た人に惚れちゃう……んだっけ? あれ、何か違うか…?)
コムイの綺麗な微笑みにそんなことをぼんやりと考えながら、彼の存在と落ち着いた声が心地良くて、アレンは蕩けたようにふにゃりと笑った。
「目が覚めた時にコムイさんがいてくれるって良いなぁ…」
夢見心地のようなアレンに、コムイは苦笑した。
「……寝ぼけてる?アレンくん」
「どうせだったら、待ってる間、添い寝してくれてたら良かったのに」
「いや、ココ、病院だから」
普段のマッドサイエンティストぶりはどこへやら。常識人な答えを返すコムイをアレンは軽く無視した。
「今からでもいいから入ります?」
「いや、遠慮しとくから」
上掛けを捲ったアレンがベッドをポンポン叩くと、コムイは体の前で両手を横に振ってお断りした。
「じゃ、せめて」
起き上がり人の良い笑みを浮かべたアレンは、本部にいる時はあまりお目にかかることのないチャイナ服の、捲くられた袖から晒された細い腕を掴んで引き寄せる。
「うわッ!?」
「おはようございます」
アレンは引っ張られた勢いで腕の中に倒れてきたコムイを軽く受け止めると、軽く音を立てて彼に口付けて、おはようのキスと悪戯気に笑った。
「もう夕…っん」
もう夕方だよと苦笑混じりに告げようとするのを遮り、アレンは再びコムイの唇を塞いだ。今度は舌を忍び込ませ、コムイの口腔を探る。
既に日は傾いているけれど、まだ明るいと言えるこんな時間にするようなキスではなく、コムイは思わず逃げを打つが、抱き寄せる腕は見かけを裏切って力強く適わない。
(やっぱり、あのヒトの弟子だなぁ―――…)
キスされながら、コムイは妙な感慨を持ってしまった。
(クロスの弟子だなんて思えないほど良い子なんだけど、やっぱ影響受けてる所ってあるよねぇ。 控え目そうに見えて、実は強引なトコとか)
でも、アレンのキスは優しい。気持ちよさと一緒に幸せまで感じるキスは、彼の想いをひしひしと伝えてくる。
「ん、ふうっ…、んん」
抜ける吐息と共にコムイの強張っていた体の力が抜け、アレンはその隙をついて手際よく体の位置を変えた。
コムイの体がベッドに沈み、アレンを見上げる体勢になる。アレンの視線の強さと熱く伝わってくる体温に、時間も場所も忘れてこのまま流されても良いかな、と絆されてしまいそうだった。
「コムイさん…」
吐息の触れる近さで囁かれた低く掠れた声に、ぞくりと寒気に似たものがコムイの背中を駆け上がっていく。
(ヤバ…)
覚えのある感覚にコムイが本気で焦り始めたところ、
「何、考えてるんですか」
アレンの男を感じさせた表情が幼い拗ねたものになり、それと同時にふたりを覆っていたムードも一気に霧散して、コムイは内心ホッとした。
「キミのケガ」
そう誤魔化し――本当に誤魔化されてくれたのかは判らないけれど――、いつものペースを取り戻したコムイは人差し指でアレンの額を軽く小突いた。
「これ以上はケガが治るまでお預けね。それから、キミはこれから治療だから」
「―――ちっ」
「何? ……ってか、神田くんに似てきてない? キミ」
「止めてくださいよ。何で僕があんなのと…」
外方を向いて口を尖らすアレンを見て、コムイはくすりと笑みを零した。
「キミのことを思ってのことなんだから」
ね、とハートマークが付いていそうなコムイの甘い声に、アレンは素直に無条件で降伏してしまった。
そして、アクマと戦闘ができるなら多少の運動など何の問題もないとアレンが気付くのは、それから数時間が過ぎてからのことだった。
く じ け ず に が ん ば り ま し ょ う ♪
完全にデキあがっているようでいて実は最後までいってないふたり、という裏設定があったり。なかったり。
でもこのアレンは「さ、治ったんでしましょう!」とにっこり笑顔で宣言するかもしれない(笑) …アニメだとさっくり治っちゃうしさー。
ちなみに、この話は【クロコム前提】ではなく、【昔、コムイはクロスと何らかの関係があったらしい、アレコム】です。ま、アレですね。「がんばれアレン。…ええ、もうイロイロと」って感じ(^_^;)

